第66話みんなで一緒に降りよう

「配偶者?」シャーロットはデイジーに、鋼鉄すら切り裂きそうな視線を投げつけた。「あなたたち、ただの婚約者同士でしょう。夫婦気取りにはまだ早いんじゃない?」

デイジーの顔は苛立ちから、たちまち怒りの極みに変わった。何年もジェームズと婚約したまま式を挙げられずにいることは、社交界の連中の間ではすでに笑い草になっていたのだ。

とりわけシャーロット――ジェームズの元妻――の前でそれを突かれ、デイジーは屈辱に全身が焼ける思いだった。表情が陰り、嵐の前触れのように険しくなる。

「シャーロット、いい加減にしなさいよ」デイジーは一歩踏み込み、手を振り上げた。平手打ちを叩き込むつもりだった。

シャーロッ...

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